第73章 録音が公開される

彼女は本来、この一件を利用して話題をさらい、なおかつ牢屋行きも回避するつもりだった。

どうせ杉浦啓介という間抜けが尻拭いしてくれる。何を怖がる必要がある?

けれど今や、評判は地に落ちた。下手をすれば、藤原家だけが唯一の命綱になる。

この悪名では、今後は仕事どころか――政略結婚の相手すら見つからないかもしれない。

杉浦美雪はスマホの画面を長いこと見つめ、次の瞬間、ばっと布団を跳ね上げて起きた。顔も洗わず、上着だけ羽織って外へ飛び出す。

藤原家別荘の鉄門は固く閉ざされ、黒い制服の警備員が二人、門前に立っていた。

美雪は駆け寄って鉄柵を掴み、敷地の奥へ向かって叫ぶ。

「藤原智彦に会わ...

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